保育士給料
お知らせ2013年01月19日
保育士の給料
保育士の給料
保育士の給料といったらどのようなイメージをお持ちでしょうか?ここでは全国福祉保育組合に加入している現役の保育現場で働く方を対象に行われたアンケートを参考に検証していきたいと思います。
保育士の正社員の給料
調査時期 平成19年5月中旬 有効回答数2,822ケース
『正規職員の賃金額』 ※A | |
正規職員の賃金額 | 調査結果 |
10〜15万円未満 | 6.0% |
15〜20万円未満 | 35,9% |
20〜25万円未満 | 25.6% |
25〜30万円未満 | 13.3% |
30〜35万円未満 | 10.8% |
35〜40万円未満 | 3.8% |
40〜45万円未満 | 2.4% |
45〜50万円未満 | 0.4% |
50万円以上 | 0.1% |
『勤続10年以上では賃金格差が広がる』※B | |
勤続年数 | 賃金額 |
10〜15年未満 | 15〜20万円未満から20〜25万円未満 |
15〜20年未満 | 15〜20万円未満から30〜35万円未満 |
20〜30年未満 | 20〜30万円未満から40〜45万円未満 |
回答者の職務 | |
職種 | 回答者の割合 |
保育士 | 59.4% |
指導員 | 14.0% |
ケースワーカー、寮母、寮父 | 4.0% |
その他 | 22.6% |
参照データ『福祉保育労働者の労働と生活の実態調査』より
保育士の年齢層は20〜30代が中心
上記のデータ(表A)を見ると半数以上の方が25万円以内の給料となっていますが、そもそも『保育士』という職業自体が20代〜30代が6割を占める若者の職場として位置づけられているため、他の職種の平均賃金と単純に比較するのは注意が必要です。1〜5年程の勤務年数の給料では、同業種、他業種とも大きな違いはありませんが、アンケート調査結果にあるように、勤続10年以上から賃金格差が目立ち始めます。(※B参照)
公務員並主任、一方新人とほとんど差がない主任
ここで考察できるのは、経験を重ねていくことで、主任などの園を取りまとめられる存在になり、給料面も反映して働く方がいる一方、仕事の責任は重くなるが給料はほとんど変化が見られない方もいるといった両極端な状態が存在するいうことがわかります。
通常は主任ともなると園にとっては欠かせない人材となり、給料もそれに見合った受け取るのが普通ですが、保育施設によっては、給料は新人の保育士を大きな違いがない保育園もあります。そういった保育園はどう見極めたらよいのか?やはり好きな仕事でも給料がいつまでたっても変化がなければメンタル的にも意欲は半減してしまうと思います。そこでどういった特徴があるか調査してみました。
給料の上がらない施設の特徴は?
調べてみた結果、次のような特徴が見られました。 (対象は同窓生、保育研修で知り合った方々、コミュニティサイト等)
・小規模な保育施設 ・『結婚したら退職』といった暗黙のルールのようなものがある園
現時点では、以上のような施設に傾向があるようです。 小規模な保育施設では、園長の力が大きく、園長の存在だけで園が回ってるような施設だったり、サービスや施設が充実してる大規模の保育施設に園児が流れてしまい、経営するのがやっとといった施設に多く見られる様です。 『結婚したら退職』のような風潮のある園は、理由は異なるにしろ、若い人材を雇用することで人件費を低く抑えて経営している園です。
仕事は勤務年数が長くなるにつれ居心地もよくなるものですが、せっかく長く勤めるのではあればやはり正当に評価していただきたいものです。同じ時期に資格をとった友人より、「責任のある主任で勤務時間も多いのに給料は下。」といったことにならないようにぜひ、職場は探しは慎重に焦らず行っていただければと思います。
では、給料の上がる施設の特徴は?
先程は給料の上がらない保育園の特徴を挙げさせていただきました。では、給料面で、しっかりしている可能性が高い保育園はどのような特徴があるか? (※ここでは公立保育園は除きます。)
一番のおすすめは、『公立保育園から民営化をされた保育園』です。
近年、公立保育園の民営化が加速しているのはご存知でしょうか。(よく知らない方は当サイト『公立保育園の民営化』を確認してみて下さい。)
民営化されると、私立保育園が元公立保育園を運営することになるのですが、その私立保育園は行政側から選定されて運営を委託されます。保育園ならどこでもいいというわけではなく、市町村ごとに基準が設けられています。決して、入札や抽選で運営の権利を取得できるわけではないのです。
一例として、箕面市の民営化について見てみましょう。 『箕面市立保育所の民営化について』の一文には以下のように記載されています。
民間法人の選定方法など
運営主体となる民間法人(社会福祉法人などの公益法人)は公募し、専門家などで構成する 法人選定委員会を設置して客観的・専門的観点から選定します。
法人の選定にあたっては、法人または法人を構成する職員の保育所運営経験をはじめ、児童福祉に対する考え方や保育計画及び長期的かつ安定的に運営ができることといった総合的な観点から審査を行います。
一文には『長期的かつ安定的』とあり、財政的に盤石でないといけないことがわかります。財政的に盤石ということは、保育業界全体から見てみると、給料面でもしっかりとしている園の割合が高いといえるのです。
私の周りにも何人か民営化された園に勤めている友人・知人がいますが給料面で安定している方が多いですし、離職率も低いです。
もし今後、就職先を探す機会があれば、『民営化された公立保育園』を就職先の一つの基準として参考してみると良いかもしれません。